遺言と相続は何から始めるべき?自筆証書・公正証書・法定相続情報の基本整理

遺言と相続は何から始めるべき?自筆証書・公正証書・法定相続情報の基本整理

相続の相談では、「遺言書はまだ早いのではないか」「まず何の資料を集めればよいか分からない」という声をよく聞きます。実際には、遺言と相続の準備は、高齢になってから急いで始めるより、家族構成や資産内容が整理できる時期に進めたほうが実務上は安定します。法務省は、自筆証書遺言書保管制度を案内しており、遺言者本人が法務局へ自筆証書遺言を預けることができるとしています。また、法務局は法定相続情報証明制度について、相続関係を一覧図に表して提出し、登記官の確認を経て証明を受ける仕組みを案内しています。さらに、相続登記の必要書類案内では、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などの違いも整理されています。つまり、遺言と相続は「1枚の遺言書を書いて終わり」ではなく、保管方法、資料整理、相続手続の見通しまで含めて考えることが重要です。

目次

遺言準備では「どの方式にするか」を整理する

自筆証書遺言は作りやすいが方式面の確認が必要

法務省の案内では、自筆証書遺言は全文、日付、氏名の自書と押印が必要とされています。自分で作成しやすい反面、方式面の確認が重要です。

公正証書遺言は作成段階の関与が厚い

公正証書遺言は、公証役場で手続する方式で、方式不備のリスクを下げやすい一方、準備書類や段取り調整が必要です。どちらがよいかは、家族構成や資産内容で変わります。

法務局保管制度は「自宅保管」とは違う

法務省は、自筆証書遺言書保管制度について、遺言者本人が法務局へ預けられる制度として案内しています。自宅保管と違い、紛失や改ざんの不安を下げやすい点が特徴です。

相続手続では法定相続情報の活用も検討したい

戸籍の束を何度も出す負担を減らしやすい

法務局は、法定相続情報証明制度について、戸除籍謄本等と一覧図を提出し、内容を確認して証明する制度と案内しています。相続手続で戸籍の束を何度も提出する負担を軽減しやすい制度です。

相続人関係の整理を早めにできる

預金、証券、相続登記など、手続ごとに相続人確認が必要になる場面で、全体像の整理に役立ちます。

遺言と相続で最初に整理したいこと

家族構成

再婚家庭、子どもの有無、不動産の承継希望などによって、遺言の必要性や内容は大きく変わります。

資産内容

預貯金中心なのか、不動産が多いのか、自社株があるのかで、分け方の難しさが変わります。不動産がある場合は特に事前整理が重要です。

保管と手続の流れ

遺言を作るだけでなく、相続開始後に誰が何をするかまで見通しておくと、家族の負担が小さくなります。

比較の基本表

項目自筆証書遺言公正証書遺言法定相続情報
目的遺言内容を残す遺言内容を公的に整える相続人関係を証明する
作成主体本人本人+公証役場相続人等
特徴手軽だが方式確認が重要方式の安定性が高い相続手続の効率化に有効
主な活用場面生前準備生前準備相続開始後

まとめ

・遺言と相続は、方式、保管、手続の流れを分けて考えることが重要です。
・自筆証書遺言では方式面の確認が欠かせません。
・法務局保管制度は、自筆証書遺言の保管方法として有力な選択肢です。
・法定相続情報は、相続手続全体の負担を軽くしやすい制度です。

この記事を書いた人

相続や遺言のことは、「何から始めればよいのか」「家族に迷惑をかけたくない」といった不安がつきものです。私は、静岡市・藤枝市・焼津市・島田市を中心に、皆さまの不安をわかりやすい言葉とていねいな段取りで解きほどくお手伝いをしています。

生前の遺言作成(公正証書・自筆+保管制度)から、相続発生後の相続人・財産の調査、遺産分割協議書の作成、遺言執行まで、窓口を当事務所に一本化。専門領域が必要な手続は、相続登記は司法書士、相続税は税理士と連携し、ワンストップで進めます(交渉や紛争対応が必要な場合は弁護士をご紹介します)。

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